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相続でもめやすい寄与分|認められる要件や具体的なケースなど

寄与分は、被相続人の財産形成に特別な貢献をした相続人が、法定相続分に加えて追加の財産を受け取れる制度です。

寄与分が認められるには厳格な要件があり、どのような貢献が認められるのかは法律で定められています。

本記事では、寄与分を受け取るための要件や具体的なケースについて解説します。

寄与分を受け取るための要件

相続人が寄与分による追加配分を受けるためには、いくつかの要件を満たさなくてはいけません。

法定相続人でなくてはならない

寄与分の請求資格は法定相続人に限定されています。

被相続人の財産に対する貢献の大きさに関係なく、法定相続人でなければ寄与分を受けることはできません。

そのため、内縁の配偶者は法定相続人として認められず、寄与分を受け取れません。

内縁の配偶者は、遺言書による指定か特別縁故者としての認定が必要です。

寄与分として認められる貢献をしている必要がある

寄与分制度では、以下の貢献も主な要件として挙げられます。

 

  • 相続開始前から一定期間におよぶ長期的なもの
  • 被相続人の財産価値の維持・向上につながるもの
  • 相続人の通常の扶養義務を超えた特別なもの
  • 無償もしくはそれに準ずる献身的なもの
  • 貢献を証明できる具体的な資料の提出

 

これらの要件が欠けている場合、寄与分は認められないので注意しましょう。

寄与分が認められる具体的なケースとは

相続人による通院の付き添いや食事の世話など、日常的な支援は珍しくありません。

しかし、寄与分として法的に認められるのは、民法第9042が定める、以下の特別な貢献のみです。

労務提供のケース

被相続人の事業を維持するため、無償または極めて低い報酬で労力を提供した場合、寄与分として認められます。

具体例としては、事業継続が困難な被相続人に代わって経営を担った場合や、長期間の農作業支援などです。

金銭等出資のケース

被相続人の財産維持や形成に向けて、相続人から特別な支援があった事実は寄与分として認定されます。

事業資金の援助や事業用の資産提供などが該当しますが、生活費程度の援助は寄与分として扱われません。

療養看護のケース

相続人による被相続人への看護行為により、外部の介護サービスに支払うはずだった費用が節約され、相続財産の維持につながった場合に寄与分として認定されます。

ただし、通院の付き添いなど、一般的な介護行為は、寄与分の対象とはなりません。

扶養のケース

通常の扶養義務を超えた支援により、被相続人の生活費が節約され、相続財産の維持に大きく貢献した場合に寄与分として認定されます。

一般的な扶養義務の範囲内の支援は対象外です。

財産管理のケース

相続人による財産管理の活動が、被相続人の支出を抑え、相続財産の維持や増加に貢献した場合に寄与分として認められます。

不動産の管理業務を代行したり、税金や修繕費を負担したりするなどが寄与分の対象となります。

まとめ

寄与分制度は、被相続人の財産の維持・形成に特別な貢献をした法定相続人に対して、相続分の加算を認める制度です。

寄与分の認定には厳格な要件があり、具体的な証拠資料も必要です。

寄与分の請求を検討される場合は、弁護士など相続の専門家に相談することをおすすめします。

資格者紹介

Staff

弁護士正木 絢生

(まさき けんしょう)

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私は、相続、離婚問題、労働問題、交通事故などの幅広い法律問題に対応しています。
お困りの際はおひとりで悩まず、お気軽にご相談ください。

資格者所属団体
  • 第二東京弁護士会
経歴
  • 都内法律事務所勤務(~2018年9月)
  • 当事務所設立(2018年9月)
  • 当事務所を中央区日本橋に移転(2020年9月)
  • 当事務所博多オフィスを開設(2021年8月)
  • 株式会社ユア・エース設立(2022年11月)
  • 当事務所大阪オフィスを開設(2023年9月)
  • 当事務所名古屋オフィスを開設(2023年9月)
  • 行政書士法人ユア・エース設立(2023年10月)
  • 司法書士法人ユア・エース設立に参画(2024年2月)
  • 株式会社ユア・エースエージェント設立(2024年11月)
  • 当事務所金沢オフィス開設(2024年12月)
  • 当事務所デジタルワークオフィス開設(2024年12月)
  • 当事務所那覇オフィス開設(2025年1月)

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