生活保護受給者が相続放棄をする場合の注意すべきポイント
生活保護受給者が相続放棄をする場合、生活保護受給資格にどのような影響があるかなど気になることがあるでしょう。
今回はどのようなことに気を付けるべきか、どこに相談すればよいのかなど、生活保護受給者が相続放棄をする場合の注意すべきポイントを紹介します。
生活保護受給者が遺産相続した場合
生活保護受給資格にはいくつかの規定があるため、生活保護受給者が遺産相続した場合は、その資格が失われる可能性があります。
生活保護法の受給資格
生活保護法の受給資格は生活に困窮する人が最低限の生活を維持するための資格で、下記の条件に合う人が受けられます。
- 利用できる資産を活用しても生活が苦しい
- 扶養義務者の扶養を受けていても生活に困窮している
もしも、これらの条件に合う人で生活保護を受けている人が遺産を相続した場合、規程条件に合わなくなる可能性があります。
生活保護受給者が相続放棄をするポイント
生活保護受給者は相続放棄をできますが、その際には気を付けるポイントがあります。
- 原則的には生活保護受給者の相続放棄は不可能
- 事前にケースワーカーや弁護士に相談
- 相続放棄には3か月という期間制限がある
以下で詳しく説明します。
原則的には生活保護受給者の相続放棄は不可能
上記で説明した生活保護法の受給資格には、利用できる資産を活用しても生活が苦しいという条件があります。
遺産は利用できる資産に入るとも考えられるため、原則的には相続放棄は不可能と考えられます。
仮に相続放棄をしてしまうと、活用できる財産を活用していないとみなされる可能性も考えられるでしょう。
しかし、相続人は相続放棄をする権利も与えられているので、生活保護者であっても相続人に変わりありません。
したがって、相続放棄は可能です。
事前にケースワーカーや弁護士に相談
相続放棄を独断で決めず、ケースワーカーや弁護士に相談すべきでしょう。
生活保護受給者の相続放棄となると、生活保護の受給要件などが関係してくるため、自分自身の考えのみでは決められません。
たとえば、生活保護受給者の相続放棄が認められるケースとして考えられるのは、相続する財産は借金のみだったり、現金化が難しい相続財産だったりする場合です。
このような判断は一般の方では難しいため、誤った判断をしてしまう可能性があります。
誤った判断をしないためにも、専門家に相談することをおすすめします。
相続放棄の期間制限
民法938条により、相続放棄は相続を知った日から3か月以内に家庭裁判所で行わなければいけません。
この期限を過ぎると、自動的に相続財産を無条件で相続する「単純承認」となってしまいます。
まとめ
生活保護受給者が相続放棄をする場合の、注意すべきポイントについて解説しました。
原則、生活受給者は相続放棄できませんが、相続事情などによっては相続放棄は可能です。
その際には専門家に相談して、3か月以内で手続を済ませるようにしましょう。
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- 都内法律事務所勤務(~2018年9月)
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- 株式会社TSUNAGU設立、取締役就任(2019年)
- 当事務所本店を中央区日本橋に移転(2020年9月)
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