他の相続人による遺産の使い込みが発覚した場合の対処法
遺産の使い込みは、被相続人の預貯金などを特別な事情なく、他の相続人に同意を得ず私的に利用する行為を指します。
本記事では、相続財産の不正使用の具体例や対処法について解説します。
遺産の使い込みについて
遺産の使い込みは、被相続人の資産管理者である相続人が、預貯金などを無断で使用する行為のことです。
ただし、被相続人の医療費や介護費用などへの支出は不正使用には当たりません。
遺産の使い込みへの対処法
ここからは、遺産の使い込みが判明した場合の適切な対処法を、順を追って解説します。
当事者間で話し合いを行う
遺産の使い込みの問題は、まずは当事者間での話し合いによる解決を試みることが望ましい選択肢です。
相続財産が正当な目的で使用されていた場合は、領収書などの証拠書類の確認で解決に至ることがあります。
また、使い込みをした相続人が事実を認め、遺産分割の際に自身の取り分を減らすことに同意する場合には、円満な解決が図れることもあります。
家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる
家庭裁判所の調停委員を交えて話し合いを進める遺産分割調停は、当事者間の協議が難航した際の重要な選択肢です。
2018年の民法改正以降、相続開始後に発生した使い込みについては、他の相続人全員の同意があれば遺産分割調停の対象として扱うことが可能になりました。
ただし、相続が始まる前の不正使用については、民法上の不当利得返還請求など、別の法的手続きが必要です。
訴訟により解決を図る
話し合いで解決できない遺産の使い込みに対しては、訴訟を提起することが解決への道筋となります。
具体的には、不当利得返還請求訴訟や不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起します。
両方の訴訟を同時に進めることも可能です。
まとめ
遺産の使い込みは、預貯金の無断使用や不動産の無断売却など、さまざまな形で発生します。
問題解決には、まず当事者間での話し合いを試み、その後必要に応じて遺産分割調停や訴訟手続きへと進むことが望ましいでしょう。
使い込みに対する返還請求には時効があるため、早めの対応が重要です。
遺産の使い込みが発覚した場合は、早めに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
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弁護士正木 絢生
(まさき けんしょう)
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- 資格者所属団体
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- 第二東京弁護士会
- 経歴
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- 都内法律事務所勤務(~2018年9月)
- 当事務所設立(2018年9月)
- 当事務所を中央区日本橋に移転(2020年9月)
- 当事務所博多オフィスを開設(2021年8月)
- 株式会社ユア・エース設立(2022年11月)
- 当事務所大阪オフィスを開設(2023年9月)
- 当事務所名古屋オフィスを開設(2023年9月)
- 行政書士法人ユア・エース設立(2023年10月)
- 司法書士法人ユア・エース設立に参画(2024年2月)
- 株式会社ユア・エースエージェント設立(2024年11月)
- 当事務所金沢オフィス開設(2024年12月)
- 当事務所デジタルワークオフィス開設(2024年12月)
- 当事務所那覇オフィス開設(2025年1月)
事務所概要
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事務所名 | 弁護士法人ユア・エース |
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代表者 | 正木 絢生(まさき けんしょう) |
法人所属団体 | 第二東京弁護士会 |
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